血糖値が高いからって何も症状がない、だから健康診断で高血糖という状態であっても医療機関を受診していないという方がいます。
でもこれはとても危険なことです。
血糖増大となった時、普段から血糖が高ければ命に係わる危険性が高いという事をよく理解ください。

血糖増大となる、つまり著しく血糖値が高い状態となってしまうと、ケトアシドーシス、高血糖高浸透圧昏睡、といういずれも昏睡状態に陥る場合があります。
ケトアシドーシスはインスリンの作用が極度に低下し不足してしまう事で「≧250mg/dl」という高血糖ととなると、尿に含まれるケトン体が陽性となってしまい、体内が一気に酸性に傾いてしまい、昏睡状態に陥ります。

高血糖高浸透圧昏睡は血糖増大状態、「≧600mg/dl」プラス脱水症状を起こしている状態です。
この高血糖高浸透昏睡となってしまう場合、脱水、また感染などがもとになっておこることが多く、2型糖尿病患者さんの中でも高齢の方に多くみられる状態です。

血糖増大となり昏睡となる前に、必ず体に症状があらわれてきます。
異常な喉の渇き、尿量が多くなり何度もトイレに行くようになる、疲労感が取れず体に力が入らない、体重が減少する、またケトアシドーシスの場合、吐き気や上腹部の痛み、アセトン臭と呼ばれる口臭などが発生します。
ここから進行すれば意識障害、さらには昏睡という状態に陥ってしまいます。

急な血糖増大となってしまう要因は、インスリンが足りない、経口血糖降下薬の飲み忘れ、食べ過ぎ、病気、運動不足や大きなストレスを受けた場合、インスリン注射を忘れたなど様々です。
普段から血糖が高く糖尿病治療を行っているという方は、昏睡という状態になる前にお水やお茶を多めに飲む、血糖を図り3時間程度時間がたってからもう一度計測し、それでも血糖が下がらないようなら医療機関に相談してください。
血糖増大という症状になる事がないように、糖尿病は初期段階から適切な治療を受けることがとても重要です。