糖尿病患者は透析率が高い
すでに30万人を超えているという透析患者数は深刻な数値です。
今透析を受けているという患者さんに加え、透析が将来的に必要になる方も非常に多い、という事なので、この先さらに透析を行う患者さんが増加していくでしょう。
この透析患者さんの中でも、透析が必要となった原因が糖尿病であるという方は人工透析患者の実に43%に上る、という結果が出ています。
これは非常に高い数値です。
この腎症になってしまうのは、腎臓の糸球体という部分が最小血管障害を起こすことで数が減り、そこから様々な症状が起こってきます。
初期はほとんど自覚症状がなく、後期に症状が現れます。
腎症は5期に分けることができますが、このうち症状が出てくるのは4期からです。
4期の場合、尿毒症の症状が出てきます。
ここから症状が進むと第5期、つまり透析が必要な状態となります。
糖尿病は初期段階でしっかり治しておくことがのちの合併症を防ぐことにつながります。
糖尿病自体、本人は痛くもかゆくもなく、合併症になってしまってから苦しむようになるのです。
お薬や食事制限による治療など、我慢を強いられる治療が多いですし、治療は種類が多数ありますが、合併症を起こさないためにリスクを減らしていくための治療です。
今我慢が多い治療を行っている場合でも、将来週3回必要となる透析を行うようになると考えてみれば、きっと乗り越えられる我慢でしょう。
透析は体の中の血液をろ過する治療です。
腎臓できれいな血液にろ過できなくなっているため、機械によって血液をろ過し体内に戻すのです。
体に及ぼす影響は非常にリスクの高いもので、1回に4時間から5時間かかり週3回時間を取られるこの治療に比べたら、食制限の方がましだという患者さんの方が多いのです。
糖尿病性腎症の場合の人工透析を行う患者さんの場合、他の理由から透析となった方と比較して余命もかなり短くなることが多いです。
糖尿病は透析が必要になる腎症を併発する恐れがある、という事をよく理解し、改善するための行動を積極的に取ることが必要なのです。